MVNOでは最近になってスマートフォンだけではなく、フィーチャーフォン(ガラケー)に対応したお得なプランを用意しているところが出ています。
MVNOの老舗のひとつであるIIJmioのケータイプランも、そうしたガラケー対応プランのひとつです。いったい、どのようなプランなのでしょうか。
目次
IIJmioのケータイプランとは?
ガラケーはスマホに比べて維持費が安いというメリットがあります。このため、2020年代半ばまでにはサービス終了がアナウンスされていても、未だに多くの利用者がいます。
携帯端末でネットをあまり使わない、ほぼ通話にしか使わないという人にとって、スマホの多彩なサービスは「大きなお世話」となっているケースもあるからです。
実はSIMそのものの規格は、ガラケーもスマホも同じなのです。このため、3Gに対応していれば同じSIMを使用することが可能です。
こうした事情を背景に、IIJmioは「ケータイプラン」という商品を発売しました。ガラケーの維持費をさらに抑えることを目的としたプランです。
ケータイプランにはドコモ回線を使ったタイプD、au回線を使ったタイプAの2種類が用意されています。つまり、ドコモやauのガラケーなら、SIMを替えればそのまま利用可能なのです。
機能的には、通話とショートメッセージに特化しています。つまり、ガラケーを純粋に連絡手段として利用している人に向いているプランだといえます。
ちなみに、MNPにも対応しています。つまり、今までの携帯番号を変えることなく、月々の通信料金を抑えることが可能になるというわけですね。
IIJmioのケータイプランはどのぐらいお得なの?
では、実際にIIJmioのケータイプランはどのぐらい通信費が抑えられるのでしょうか。大手キャリアのプランと比較してみましょう。
まず、大手キャリアの場合、ガラケーでも月々の基本料金は1000円を超えています。通話時間が長くなるなどした場合には、結構な料金となることもあります。
IIJmioのケータイプランの基本料金は、月額920円(税別)です。この時点で、数百円単位とはいえ大手キャリアよりも料金が安くなっています。
通話料金についても「みおふぉんダイアル」というサービスが用意されています。これは、サービスを利用しない通話よりも、通話料金が半額に抑えられるというものです。
サービスを利用しない通話は30秒20円ですが、みおふぉんダイアルを利用すれば30秒10円です。3分間の通話ならば、120円が60円になるのです。
大手キャリアにはかけ放題プランが用意されていますが、月額1000円台から2000円台に設定されているところが主流です。
現在は取り扱いを停止しているドコモだと、かけ放題コースは2200円です。みおふぉんダイアルで換算すると220分、3時間40分以下の通話時間なら、割高になります。
そもそもの基本料金が割安になっているうえ、毎日のように自分から通話を発信したり、極端に長時間の通話を自分から発信したりしない限り、大手キャリアより維持費を抑えられる計算になるのです。
IIJmio「ケータイプラン」のメリット・デメリットは?
IIJmioのケータイプランには今までのスマホを使い続けられる、格安スマホよりさらに料金設定が安い、スマホにも利用できるというメリットがあります。
一方で、そのままではネットに接続ができないというデメリットもあります。仮に接続する場合でも、ガラケーの場合は手続きが多少やっかいになります。
メリット1、今までのガラケーを使い続けられる
これまで、MVNOでガラケーを取り扱っているところはありました。しかし、それらはすべて端末がセットになっているものでした。
故障して使えなくなったという事情でもない限り、使い慣れた端末を使い続ける方が便利です。機種変更に伴って電話帳などを移し替えるのも、ちょっとした手間です。
ケータイプランはSIMのみの提供ですから、端末についてはそのまま使い続けることになります。つまり、機種変更は基本的に必要ないのです。
また、Dプランならドコモ、Aプランならauのガラケーが、SIMロック解除なしに使用可能です。SIMフリーのガラケーならば、言うまでもなく使用可能です。
ただし、すべてのガラケーをそのまま使い続けられるとは言い切れません。公式サイトに対応機種一覧が記載されていますので、そちらを参考にしてください。
メリット2、格安スマホよりさらに料金設定が安い
MVNOは格安といっても、スマホを利用するためにはそれなりのランニングコストが必要です。IIJmioの場合も、それは例外ではありません。
スマホの音声SIMの料金設定を見ると、最も容量の少ない3GBプランで月額1600円、6GBプランで2220円、12GBプランで3260円となっています。(いずれも税別)
インターネットの光回線とセットだと毎月600円割引になりますが、その場合は別途光回線の利用料が必要なので、トータルだとかえって高くつきます。
ケータイプランなら、基本料金が920円に抑えられます。最も低額な3GBプラント比較しても、さらに680円も安くなってくれるのです。
携帯端末は通話ができれば十分という人にとっては、スマホの通話プランよりさらにリーズナブルなプランが用意されているという形になっているのです。
メリット3、ケータイプランで契約したSIMでもスマホで使用できる
ガラケーそのものも、いつまでも使い続けられるわけではありません。最も長期にわたって3G回線を維持するとみられるドコモでも、2020年代半ばのサービス終了をアナウンスしています。
そうなると、4G以降に対応しているスマホしか使えなくなってしまいます。ただ、IIJmioのケータイプランは、スマホにも対応しているのです。
その場合、プランそのものが使えなくなるのではないかと思うかもしれませんが、IIJmioの場合は対応機種一覧を見ると、その中にiPhoneをはじめとするスマホが入っていることが分かります。
つまり、将来的に3Gが使用できなくなっても、4G以降に対応している端末があれば、SIM自体はそのまま使い続けることが可能なのです。
SIMそのものは、3Gでも4Gでも共通です。ただ、サイズが違う可能性があるので、SIMの交換が必要になる可能性はあります。
MVNOが大手キャリアの回線を借りている以上、そのインフラにサービスが左右されるのはやむを得ないことですが、こうした救済措置を取れることは好感が持てます。
デメリット、そのままではネットに接続できない
ただ、ケータイプランにはデメリットもあります。それは「プラン単独ではネット接続そのものができない」ということです。
MVNO共通の問題点としては、大手キャリアから乗り換えた場合にキャリアメールが使えなくなるというものがあります。これは、Gmailなどで代替が可能です。
しかし、ネット接続そのものが不可能ということになると、メール自体が使えないので困ります。SMSで代替するにしても、670文字という制限があります。
もしどうしてもネット接続が必要ならば、追加クーポンを購入する必要があります。価格は500MB1500円、1GB2300円、2GB3000円、3GB4100円、5GB5400円です。
利用期限は3ヶ月で、期間中に容量がなくなったら改めて購入する形になります。1ヶ月ごとに値段が決まっているというわけではありません。
問題は、端末側の設定です。スマホならば公式サイトの説明を元にAPN設定を行うことになりますが、ガラケーはメーカーに設定の方法を問い合わせる必要があり、ちょっと面倒です。
つまり、ガラケーでネットを利用する場合、ケータイプランは必ずしもオススメできないことになります。どちらかといえば、通話のみを利用したいという人向きのプランだといえます。