WF-XB700の詳細レビュー!ソニー製の重低音完全ワイヤレスイヤフォン

数世代前のiPhoneがイヤフォンジャックを廃止したことがすごく大きな話題になりました。そしてそのシリーズのiPhone発売から大きく刺激を受けて超がつきそうなレベルで活性化された製品の市場があります。

それが今回レビューするソニー製Bluetoothイヤフォンも含む「完全ワイヤレスイヤフォン」と呼ばれているタイプの製品達です。AppleのAirPodsシリーズなんかもそうですね。

「完全ワイヤレス」の名前の通り、このタイプのBluetoothイヤフォンには一切ケーブルがありません。左右のイヤーピースも独立していて、ケーブルが絡むとか邪魔になるとかいったことにわずらわされずに済むのが使う上での大きなメリットになります。

そういった使い勝手の良さ、見た目のスマートさや、あとはやっぱり「新しさ」が受けたのでしょうね、Bluetoothイヤフォンの中でも今だに最も大きな注目を集めているジャンルになります。

今回はそんな完全ワイヤレスイヤフォンの中では、機能的にものすごくシンプルで「すっぴん」と言ってもいいぐらいの製品、ソニー製WF-XB700を詳しくレビューしていきます。

WF-XB700のスペック

まずは簡単にこのイヤフォンのスペックを確認しておきます。

イヤーピースの重量は約8g。サイズ的には実はけっこうボリューム感があるイヤフォンなのですが、ハウジングがプラスチック製なこともあってか重量はさほどありません。

付けても重さが気になることはありませんね。

イヤフォンの音を出すドライバー部分はダイナミック型で、カナル型(耳栓型)のイヤフォンとしてはかなり大きめの直径12mmの振動板を採用しています。

充電にかかる時間は約2.5時間。連続して最大9時間の動作が可能です。専用ケースはバッテリーとイヤーピースの充電機能を備えていて、ケース内蔵のバッテリーで1度左右のイヤーピースをフル充電することが出来ます。

対応するBluetoothのバージョンは5.0。電波出力はClass 1対応でBluetooth機器としては強い出力を持っています。

音声伝達の際に使う音声コーデックは標準のSBCとAACのみの対応となっています。

また、IPX4クラスの防水性能があるので、汗をかくワークアウトなどでも使いやすい製品です。通話用のマイクも備えていて、スマホでのハンズフリー通話やパソコンのビデオ通話にも使えます。

外観

次にWF-XB700の外観をチェックしておきましょう。

まず外箱はこんな感じです。
コンパクトでシンプル。

ですが内箱は真っ黒となかなか大胆な演出。
同梱品は極めてシンプルです。

専用充電ケースもイヤフォン本体もいわゆる「プラスティッキー」な外観で、塗装などで高級感を演出しない作りです。逆にそれが気楽に付き合える雰囲気の演出になっている気もします。

ケースのふたは半透明の作りで、イヤフォン本体とケース側のLEDのインジケータが外から確認できるようになっています。

イヤーピースは結構独得のカタチをしていて、三階建てっぽい縦方向の構造になっています。多分一番外側が電装系、2段目にドライバーや音響室などのアコースティックなパーツ、そこに耳穴に入るチップ部分が載っているのでしょう。

結構大柄で装着してもある程度耳からは出っ張るのですが、一番外側はシンプルな卵形っぽい形状になっていますので、出っ張ってもさほど見た目が奇抜な感じにはなりません。

装着感

WF-XB700の使いごこちで真っ先に特筆したいのはこの部分です。装着感が抜群にいいのです。

耳穴や耳たぶ内側のカタチには当然個人差がありますので、使う人すべてがベストなフィット感を得られることはまずありません。ですがこのイヤフォンはイヤーピースの耳の内側に当たる部分の形状をすごく良く計算してあるようで、多くのユーザーが安定した装着を実現できそうです。少なくとも著者は一発で非常に安定した装着感になりました。

こちらに関しては本当にたまたまですが、標準でついていたMサイズと思われるイヤーチップが耳の穴の直径にもピッタリでした。結果、多少運動した程度ではまず外れないだろうな、という安心感がある付け心地になりました。

ただ、イヤフォンを付けるときの向きにはちょっと慣れが必要な感じですね。見た目から予想するのとはちょっと違う方向で耳たぶの内側に収る感覚でした。

でもまあ、これはすぐに慣れます。

イヤフォン本体が完全ワイヤレスイヤフォンとして大きめのため、付け外しの際に落としてしまったりうっかりなくすミスは少なそうな感じがします。扱いは楽ですね。

WF-XB700にはアクティブノイズキャンセリング機能もがついていません。

イヤフォン、というよりはBluetoothヘッドセットですかね、そういった製品としての最低限の機能しか付いていません。このため「遮音性」、耳栓性能はイヤフォンの装着の安定性にかかっている訳です。

その点、このイヤフォンはすごく優れています。耳穴へのフィットの良さと安定していいポジションに収ってくれるイヤフォンのカタチのおかげで、外部の雑音をかなりしっかり安定してカットしてくれます。

逆に遮音性が良すぎるぐらいで、アクティブノイズキャンセリング機能搭載イヤフォンの流行の機能である「外部音の取り込み機能」が欲しいかな、と思うぐらいです。

比較的周囲の騒音が大きめの環境でも音楽を聴きやすいイヤフォンでしょう。

肝心の音は?

WF-XB700はソニーの重低音イヤフォンのシリーズであるEXTRA BASSを名乗る製品の一つです。

ですが著者が普通に使う範囲のボリュームのレベルだと、そこまでズンドコ低音が響きまくるという音のバランスではないと感じました。

このため重低音大好きユーザーの間では「低音の量感が物足りない」という意見もそれなりにある模様です。

ただ、こちらもあくまで著者の主観にはなりますが、音量を少し上げていつもより大きめのボリュームにすると低音側がどんどん主張してくる感じになります。重低音イヤフォンらしさが出てくる感じですね。

そう感じるのは割と大きめのボリュームですので、耳を痛める可能性もありあまりそこまでボリュームを上げたくはありません。

ちなみにカナル型のイヤフォンでは、耳穴へのフィット具合で特に低音の聞え具合が大幅に変わります。低音不足を感じるときにはイヤーチップを交換してしっかり奥まで装着できるよう工夫すると改善できるかもしれません。

人間の耳は音の大きさによって音の高さに対する感度が変化します。ボリュームが小さいと低音に対して鈍くなるんですね。ですので、小さめのボリュームでもバランスが取れやすい、低音を少しブースト気味の音のバランスって案外実用性は高いのかもしれません。

また、電車の中など騒音のある環境で使うときにも聞えにくくなるのは低音側ですし。

それぞれの音源はそこそこシャープに定位してくれる感じですが、有線の高級イヤフォンほどのフォーカスの鋭さはありません。音の輪郭がズルズルに甘い訳ではないので、「いい感じに緩い」ぐらいの音かなと思います。

音の広がる空間もそこそこ広く、カナル型特有の頭の中に小さくて緻密な音の空間が出来上がるような雰囲気とはちょっと違う音楽の聞え方になります。

音の空間の中心が脳みその真ん中になってしまうのは仕方がないとして、割と自然にふわっと頭蓋骨の一回り外側ぐらいまで音が広がってくれるので、緊張せずに気楽に聞きやすいイヤフォンじゃないかと思います。

このイヤフォンはシンプルな機能の完全ワイヤレスイヤフォンとしてもメジャーメーカー製では価格的にローエンドに近いものですから、本当は音質に過大な期待は禁物なランクの製品です。

ですが、音質も下から上まで変な癖がない感じで素直な音です。重低音イヤフォンといううたい文句の割にはバランスも良くごく普通にききやすい音だと感じました。

ものすごくいい音じゃないけど「普通にいい音」の出るイヤフォンです。

結果として「イヤフォンに真面目に聴き込むことを要求されない」、気楽に音楽を聞き流せる製品になっていると思います。

遅延の程度

Bluetoothイヤフォンの弱点の一つは音がどうしても遅れてしまうことです。

スマートフォンなどで音声データをBluetoothで送る形式に変換したのち電波で飛ばし、受け取ったイヤフォンがデータを展開してアナログに変換、それから振動板を動かして音出しする訳ですから、どうやっても遅延をなくすことは出来ないのが宿命です。

最近は音声コーデックや信号の送り方を工夫したりして音の遅れを最小限に抑える改善が行なわれていますが、それでも遅延はゼロには出来ません。

WF-XB700の場合には遅延を最小化可能な音声コーデックを採用していません。こちらの点で今最も優れているのはクアルコムが規格化した「aptX LL」ですが、WF-XB700の対応コーデックはSBCとAACのみで、この部分は少し機能が省略されたと言えるかもしれません。

ですが、実際に使ってみた感じでは音声付き動画を見るぐらいだと、音の遅れが気になって仕方がない、ってレベルではありませんでした。台詞と唇の動きをじっくり見ていると、あ、少し遅れてるかな?と感じるぐらいで不自然さはほぼありません。

ただ、見ていて分る程度の遅延はありますので、リズムアクションゲームを遊ぶときに音楽側でタイミングを取るのはちょっとキビシイと思います。画面側の表示のみでタイミングを取るなら大丈夫でしょうけれど。

バッテリーの持ち

バッテリー持ちの方はわたしの使い方だと十分な感じです。キッチリ連続で長時間使ってみた訳ではないのですが、かなりカタログスペックに近いぐらいの稼働時間がありそうな感じです。

バッテリケースまでフルチャージしておけば、通勤・通学時にだけ使用する程度なら充電は3,4日に一度で大丈夫ではないかと思います。

ちょっとでもイヤフォンを使ってイヤフォン本体側のバッテリーが消耗すると、ケースに戻したときに必ず充電が行なわれます。このためケースのバッテリー残量があれば、ケースに戻すことでイヤフォン本体側は常に満充電に近い形で使えるようになります。

ここは内蔵バッテリーがリチウムイオンバッテリーならではのいいやり方だと思います。
「追い充電」的な使い方をしてもバッテリーの寿命にはほとんど関係がありませんから。

また、緊急時には短時間の急速充電である程度の時間使えるようにもなっていますので、バッテリー関連の使い勝手に関してはほとんど心配はいらないと思います。

出先でケースまで充電がなくなってしまったときにもモバイルバッテリーで補うことも可能ですし。

ソニー製の重低音完全ワイヤレスイヤフォン「WF-XB700」詳細レビュー 記事まとめ

ここまでソニーの完全ワイヤレスイヤフォンWF-XB700をじっくりチェックしてみましたが、著者的には発売時の1万5千円程度の価格でも内容に十分見合う製品だと感じていました。

音楽的にはものすごく良い音がする訳ではないのですが、普通にいい音で十分に音楽を楽しめるイヤフォンに仕上がっていると思います。

やや大柄な本体ですが、そこが逆に取り扱いを楽にしてくれている気もします。

より高級な製品ではアクティブノイズキャンセリング機能その他のプラスαの機能が採用されていますが、そういった追加機能を必要としないならWF-XB700は完全ワイヤレスイヤフォンの初めての1台にもぴったりの製品になってくれると思います。

今は発売時からジリジリ実売価格が下がっていて、よりコストパフォーマンスが上がっていると思いますし。